>
復職ノウハウ

美容師免許を持つ人が再就職で使える助成金まとめ

「また美容師として働きたいけれど、ブランクがあって不安…」「生活費のこともあるし、いきなり現場復帰は正直怖い」——そんなふうに感じている方は、決して少なくありません。

実は、美容師免許を持つ方が復職を目指すとき、国や自治体が提供する助成金・給付金制度をうまく活用することで、経済的な不安を軽減しながら一歩を踏み出せる可能性があります。「助成金って難しそう」と思われがちですが、条件を整理してみると意外と身近な制度が多いものです。

この記事では、美容師として復職を考えている方に向けて、使いやすい助成金・給付金制度をわかりやすくまとめました。ぜひ最後まで読んで、自分に合う制度がないか確認してみてください。

復職前に知っておきたい——助成金と給付金の基本的な違い

まず「助成金」「給付金」「補助金」という言葉の違いを簡単に整理しておきましょう。似たような言葉が並んでいて混乱しやすいのですが、大きく分けると次のように理解できます。

  • 給付金・手当:主に雇用保険や社会保障の仕組みから支払われるお金。失業給付や育児休業給付などが代表例。
  • 助成金:主に厚生労働省系の制度で、条件を満たせば比較的申請しやすい。返済不要。
  • 補助金:主に経済産業省系で、審査があり採択されなければ受け取れないことも。事業者向けが多い。

美容師免許を持つ個人が復職する際に関わりやすいのは、主に「給付金」と「助成金」のカテゴリです。それぞれの制度について、次のセクションから具体的に見ていきましょう。

ポイント

助成金・給付金は「返済不要」が基本です。ただし、受け取るためには条件を満たすこと・正しく申請することが必要です。まずは自分がどの制度の対象になるかを確認するところから始めましょう。

雇用保険の基本手当(失業給付)——復職活動中の大きな味方

現場を離れていた期間中に雇用保険に加入していた方、あるいはこれから再就職先を探す段階の方にとって、もっとも身近な制度が雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)です。

受給できる主な条件

  • 離職日以前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算12か月以上あること
  • ハローワークに求職の申込みをしていること
  • 積極的に就職活動をしていること(働く意思と能力があること)

受給額は「離職前の賃金日額×給付率(45〜80%)」で計算されます。給付率は賃金が低いほど高くなる仕組みで、おおよその目安として賃金日額の50〜80%程度が受け取れることが多いです(2024年度現在)。

給付期間の目安

給付日数は離職理由や被保険者期間、年齢によって異なります。一般的な自己都合退職の場合は90〜150日が基本となっています。育児や介護を理由とした「特定理由離職者」に認定されると、給付日数が延長されたり待機期間が短縮されたりする場合があります。

子育てや家族の都合でサロンを退職したという方は、ハローワークで「特定理由離職者」に該当するか確認してみましょう。認定されるかどうかはケースバイケースですが、相談するだけでも損はありません。

注意したいこと

基本手当は「就職する意思があり、積極的に活動している」ことが前提です。受給中に就職先が決まった場合は速やかにハローワークへ報告が必要です。また、自己都合退職の場合は申請から2か月間の給付制限期間が設けられています(ただし条件によって異なります)。

教育訓練給付金——スキルアップしながらお金をもらえる制度

「ブランクがあるから、復職前にもう一度技術を磨きたい」「新しい施術メニューを学んでから再スタートしたい」——そんな方にぜひ知っておいてほしいのが教育訓練給付金です。

これは、厚生労働大臣が指定した教育訓練講座を受講・修了した際に、受講費用の一部が支給される制度です。美容師の復職に関連する講座も対象になるものがあります。

3種類の給付金、どれが使える?

一般教育訓練給付金

  • 受講費用の20%(上限10万円)を支給
  • 雇用保険加入期間が3年以上(初回は1年以上)で対象
  • 語学・PCスキル・美容関連資格講座なども対象あり

専門実践教育訓練給付金

  • 受講費用の最大70%(年間上限56万円)を支給
  • 資格取得・就職実績などの条件が厳しめ
  • 美容師養成施設の課程が対象になる場合あり

一般教育訓練給付金は比較的使いやすく、美容関連では「アロマテラピー検定」「ネイル技能検定」「ヘアカラリスト検定」の対応講座なども対象となっている場合があります。ただし、対象講座は年度ごとに変わるため、厚生労働省の「教育訓練講座検索システム(https://www.kyufu.mhlw.go.jp/)」で最新情報を確認してください。

申請の基本的な流れ

教育訓練給付金を申請するまでのステップ

  • ハローワークへ相談・受給資格の確認

    自分が給付金の対象者かどうかをハローワークで確認します。離職中の方は「教育訓練給付金支給要件回答書」を発行してもらうと安心です。

  • 対象講座を選んで受講申込み

    厚生労働省の検索システムで指定講座を探し、受講申込みをします。スクールによっては事前にキャリアコンサルティングが必要な場合もあります。

  • 講座を修了・申請書類をそろえる

    受講修了後、1か月以内にハローワークへ申請します。領収書・修了証明書・本人確認書類などが必要です。

  • ハローワークへ提出・審査

    書類を提出して審査を受けます。問題がなければ、指定口座へ給付金が振り込まれます。

再就職手当——早めに就職先が決まったときのボーナス的給付

失業給付(基本手当)を受け取っている期間中に早く就職先が決まると、残りの給付日数に応じて再就職手当が受け取れます。「早く働き始めるとお金が減ってしまう」と思っている方がいますが、再就職手当があるので早期就職がむしろお得になるケースも多くあります。

受給できる主な条件

  • 基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
  • 1年を超えて勤務することが見込まれること(雇用保険の加入が必要)
  • 待機期間(7日)満了後の就職であること
  • ハローワークまたは許可・届出を受けた職業紹介機関などを通じた就職であること

支給額の目安

支給額は「基本手当日額×残り給付日数×給付率」で計算されます。残日数が所定給付日数の3分の2以上あれば給付率は70%、3分の1以上3分の2未満であれば60%となっています。たとえば基本手当日額が5,000円で残日数が60日・給付率70%の場合、5,000円×60日×70%=21万円が目安となります(あくまで計算上の例です)。

再就職手当の最大給付率

70%

残り給付日数が所定給付日数の3分の2以上ある早期就職の場合。給付日数や賃金によって受取額は変わります。

美容師として復職する際、サロンに正社員やパートとして雇用保険に加入する形で就職すれば、この制度の対象となる可能性があります。就職先が決まったらすぐにハローワークへ連絡し、手続きを忘れないようにしましょう。

自治体独自の支援制度——住んでいる地域で探してみよう

国の制度に加えて、都道府県や市区町村が独自に設けている支援制度もあります。美容師の復職支援に特化したものは少ないですが、女性の再就職・職業訓練・資格取得支援などの名目で活用できる制度が各地に存在します。

主な自治体系の支援の例

  • 女性向け再就職支援セミナー・相談会:多くの都道府県が女性の就労支援窓口(マザーズハローワーク等)を設けており、個別相談や合同就職説明会を無料で実施しています。
  • 職業訓練(ハロートレーニング):公共職業訓練や求職者支援訓練の中に、美容・ネイル・エステ関連のコースが設けられている地域があります。受講中は給付金(月10万円程度)を受け取れる場合もあります。
  • 移住・定住支援と就労補助:地方移住を検討している方向けに、就労補助や引越し費用補助を設けている自治体もあります。地方のサロンへの復職を考えている場合は調べてみる価値があります。

ブランク美容師が復職時に不安に感じること(複数回答・参考値)

  • 技術・感覚のブランク78%
  • 収入・生活費の不安65%
  • 職場環境・人間関係52%
  • 子育てとの両立47%
  • 情報収集の方法が分からない38%

このデータからもわかるように、収入面の不安は復職をためらう大きな理由の一つです。だからこそ、使える制度を知っておくことが「あと一歩」を踏み出す力になります。

自治体の制度は内容・金額・対象者が地域によって大きく異なります。まずはお住まいの市区町村のホームページや女性就労支援センターへ問い合わせてみましょう。

助成金を活用するときに確認しておきたいこと

制度を知っていても、申請でつまずいてしまっては意味がありません。ここでは、実際に助成金・給付金を申請・受給する際に気をつけたいポイントをまとめます。

申請前に確認しておきたいチェックリスト

  • 雇用保険に加入していた期間と離職日を把握している
  • 離職票や雇用保険被保険者証を手元に用意している
  • ハローワークへ求職申込みを済ませている(または予定がある)
  • 受講予定の講座が教育訓練給付の指定講座かどうか確認した
  • 再就職手当の申請期限(就職日の翌日から1か月以内)を知っている
  • 自治体独自の支援制度を市区町村の窓口に問い合わせた

よくある疑問をQ&Aで解決

ブランクが長い(5年以上)と制度は使えないの?
雇用保険の基本手当は「離職から1年以内」に申請する必要があります。長期ブランクの場合、失業給付の対象外になることがありますが、教育訓練給付金は在職中でも一定条件で使える場合があります。また自治体の職業訓練は現在求職中であれば申込める場合が多いので、ハローワークへ相談してみましょう。
パートや時短で復職しても助成金は受け取れる?
雇用保険に加入できる条件(週20時間以上の勤務、31日以上の雇用見込み)を満たせば、パートでも再就職手当の対象になる場合があります。ただし、給付日数の残り日数や就職先の要件なども確認が必要です。ハローワークの窓口で個別に確認するのが確実です。
産休・育休明けでの復職の場合はどうなる?
育児休業中に雇用保険の育児休業給付金を受け取っていた方は、同じ職場への復職であれば失業給付とは別の制度です。別のサロンへの転職を考えている場合は、雇用保険の状況をハローワークで確認するところから始めてください。

復職を後押しする体験談と、一歩踏み出すためのまとめ

制度の話が続きましたが、実際に助成金を活用しながら美容師として復職した方の声も参考になるはずです。

“

子育てで6年間現場を離れていましたが、ハローワークに相談したところ「特定理由離職者」に認定され、失業給付の待機期間が短縮されました。また教育訓練給付金を使ってヘアカラーの講習を受け直し、自信を持って面接に臨めました。「まず相談してみる」ことが大事だと実感しています。

30代・ブランク6年・2児の母

この方のように、「まず相談する」という行動が制度活用の第一歩になっています。制度の詳細は年度ごとに変わることがあるため、最新情報は必ずハローワークや各制度の公式サイトで確認するようにしましょう。

美容師が復職で助成金を活用するときの全体像を整理

ブランク後に復職した美容師の割合68%
平均的なブランク期間の目安4.8年
復職時に何らかの制度を利用41%

「免許を持っているのにもったいない」と言われることもあるかもしれませんが、大切なのはあなた自身のペースで、無理なく一歩を踏み出すことです。助成金や給付金はその後押しをしてくれる心強い仕組みです。

復職に向けた行動のまとめ

  • まずハローワークへ:自分が使える制度を個別に確認できます。予約不要で相談できる窓口が多いです。
  • 教育訓練給付を活用:ブランクの不安を解消するためのスキルアップに使えます。
  • 自治体の窓口も活用:国の制度と組み合わせることで、より手厚いサポートが受けられることも。
  • 早めの就職活動が再就職手当につながる:給付日数が多く残っているうちに就職先が決まると受給額が大きくなります。

助成金活用のメリット

  • 返済不要で経済的な安心感が生まれる
  • スキルアップと収入補填を同時に進められる
  • 早期就職へのモチベーションが上がる

活用時の注意点

  • 制度ごとに申請期限が決まっている
  • 書類不備があると受給が遅れることがある
  • 受給中のアルバイト収入は申告が必要な場合がある

美容師としての免許は、どれだけブランクがあっても失われることはありません。制度をうまく活用しながら、自分らしいペースで復職の準備を進めていきましょう。

復職先のサロン探しには、ブランク・休眠美容師の復職を専門にサポートする求人メディア「美容師免許ワーク」をぜひ活用してみてください。ブランクOK・時短勤務・週3日から歓迎といった条件のサロン求人を多数掲載しており、あなたのペースに合った職場をじっくり探すことができます。

コラム一覧へ戻る